美容室AiWill(アイウィル)

札幌市中央区の美容室AiWill(アイウィル)のWebサイトです。

前のページに戻る

トレンドのモノサシ(ヤマダリョウ)

いつもアイウィルをご愛顧頂き有難うございます。

美容師の山田亮です。

前回のトレンドのモノサシ5で言及した

現在ブーム真っ只中の90年代リバイバルについて。

実はこの2ヶ月の間、「90年代のカルチャーとは?

どんな時代だったのか?」

頭の中がカオス状態に、、、、、、

当時のリアルタイムからの経験的視点では

ロンドンにはまっていて、客観性に欠けてしまいます。

個人的には刺激が満載の時代だったが、、、、、、

一般的には他の時代に比べ、地味で特に変化が無く

「空白の時代」 と呼ばれてしまう。

必死に検証してみた。

そこで自分なりに一つの大切な回答が出た!

90年代のカルチャーには

そこから現在に至るまでの「大切な礎」があった。

という事。

言うなれば、現在の文化、様式の基礎は

そこから確立されたと言っても過言ではない。(大袈裟か!?)

その大切な要素とは?

[編集 (EDIT) の時代] の確立

このことについて語りたいと思います

80年代は90年代のゴージャスで、良くも悪くも

誇張された個性豊かな時代と比較すると

一見地味で面白味に欠けてしまう。

しかし実験的で派手で何でも有りの前年代の

反省やツケを払い、進化発展、合理化、効率機能化

を上手く行った洗練の時代という構造が見えてくる。

ファッションにおいては、ジルサンダー、ヘルムートラングの

「ミニマリズム」という概念からの洋服作り

シンプルかつ機能的なクリエーションは80年代の

カウンターであり、新たな回答といえるのでは。

現にこの概念は今この時代まで継承されている。

そしてここからが、編集の時代というテーマの本題に。

2010年代(2015年)の現在

「コラボレーション」 「カスタマイズ」 「ティストミックス」

「リミックス」 「サンプリング」 「フィーチャリング」 etc

これらのキーワード、組み合わせや融合(フュージョン)を表す

手法や表現方法は現在当たり前の時代。

これらは90年代から本格化されたと言えます!

もちろん表現方法としてはその前の時代にもあったわけですが

重要なのはポピュラー化(一般的)したという事。

何も目新しいものを生み出さなかったと揶揄される90年代。

しかしこの [リミックス] (総称して) という現代の主流となる

クリエーション。発想、技法の面白さや価値を生み出した功績は

あまりにも大きいと思う。

[モード×ストリート ] [音楽×ファッション]

[スポーツ×モード] [映画×ファッション] [アート×ファッション] etc

国境、時代、文化、性別、年令、価値、機能、素材、など

様々なジャンルの垣根を取り払い、自由に編集する価値や楽しさを

一般的にしてくれた大切な時代が90年代。

まだ全身を同じデザイナーのブランドで決めてた頃。

まだ、ジャージやスニーカーがスポーツやストリートのもので

モードとは対極に位置していた頃。

hiphopが一部の地区の黒人の反社会的メッセージに過ぎない頃。

その反骨精神は置き去りにし、ヒップホップのスタイルとして

新鮮な要素として抽出され大衆化していった。

例えば曲作りのスタイルとして
「サンプリング」という技法
(既存の曲の一部を引用して新たに曲を再構築すること)

「フィーチャリング」という手法
(客演を意味する 曲調に合ったミュージシャンを自由に融合)

これらの要素は更に「DJ」 というスタイルを確立し多くの

フォロワーを生み出していく。

[ヒップホップスタイル] [DJ スタイル]

その自由な融合、再構築の発想は音楽にとどまらず

ほかのクリエーションの世界、ファッション、

更には後の一般的な人々へと影響を与えていくことになる。

また、この時期に平行して「グランジファッション」の流れも

忘れてはならない。基本的には普通で、安っぽくて、

ボロいけど、絶妙なバランス感、ミックス感、

そして巧みな重ね技が効いていた。( レイヤード)

この世代に育ったティーンエィジャーは、自然に

このファッション感覚を持ちあわせている様に思う。

90年代半ばになるとパリコレなどのオートクチュール、

老舗メゾンは

次々と若手デザイナーを抜擢し、古臭いイメージを払拭していく。

そのデザイナー達のインスピレーション、イメージソースは

ロックやパンク、ストリート、スポーツ、アート、様々なカルチャーを

自由な発想で取り込んで行くことになる。
( 個人的にはgucciのトムフォードが発表したモッズスタイルは衝撃だった。)

2000年に入ってもこのリミックスの流れは加速する。

山本耀司はadidasとコラボして「 Y3」を立ち上げる。

コムデギャルソンの川久保玲の秘蔵っ子、junya watanabeの

自身のブランドコンセプトは

「再構築」と 「コラボレーション」である。

編集と言えば[セレクトショップ]の存在もその現れだろう。

今は当たり前で、星の数程あるこの店舗形態、

やはり編集の時代にはこの融合感がしっくり来ると思う。

一つのブランドでトータルコーディネートの空気はない。

最近はバリューブランドと言われる安くて大量生産型店までもが

モードファッションとのコラボレーション、

有名アーティストやミュージシャンとのコラボレーションをする

楽しい時代に。

どこまでも続きそうなこの流れです。

編集の時代のテーマの最後に、

現在とこれからしばらくは「個人編集の時代」に突入するであろう

という話しをしたいと思います。

時代はブランド、デザイナーの発信の時代から徐々に

セレクトショップの台頭などによりカリスマバイヤー、

スタイリスト、そしてカリスマ店員などの

チョイスする力、コーディネート力の審美眼が力を持つ時代に移行

そして最近はファッションコーディネーターが

相次ぐ出版ラッシュ。少人数制の定期的なコーディネート講座も

かなり増えている模様。

何を選んで どう着るか!

雑誌と言えば、どの雑誌もリアルファッションスナップが花盛り!

インターネットでもそれらのファッションサイトから買い物まで。

この様に個性、個人、個の力にスポットの移動が生じている。

、例えば「WEAR」というウェブサイトでは数百というブランドが参加し

ショップ店員が自社のアイテムを使い、毎日毎日、

様々なコーディネート提案を行っている。

そして更にこちらは個人参加型の形態を取っており

消費者が自らの写真を自由に掲載することができる。

またwebサイトを使いスニーカーなどのカラーリングを

カスタマイズしてオリジナルな物に発注をかけれる

サービスもある。

今や、個人が、誰でもEDITOR (編集人)であり、

編集を個人で楽しむ時代なのである。

(もちろんファッションにとどまらず、ライフスタイル全てです)

ここからの近未来は個人編集を洗練させていく時代。

そこから成熟期へと向かって行くことになるでしょう、、、、、、

[ 90年代リバイバルまとめ ]

今、90年代ファッションをコーディネートするには

自由な発想でリミックスを楽しむこと。

長~い長~いブログ、最後までお付き合い有難うございました。

お疲れ様です。

アイウィル 美容師 山田亮

つぎの記事を見る